私のクリニックは歯周治療と予防に力を入れています。臨床に出た時から歯周治療の必要性を強く感じており、臨床の経験、講演や学会、専門書、先輩歯科医に教えて頂いたこと等を基に、ほとんどのケースで病気のコントロールができるようになっています。
しかし、未だに難症例では治療方針に悩むこともあり、今年の4月から日本大学歯学部歯周病科の教授でいらっしゃった伊藤 公一先生に直接教えて頂ける勉強会に参加しました。 自分の臨床がスタンダードにできているかの確認と知識の補充、難症例における考え方の習得が主な目的でしたが、伊藤先生と伊藤先生の同級生の植原 俊雄先生、並びに植原歯科の方々の熱が入った御指導では臨床におけるエッセンスを期待していた以上に教わることが出来ました。全五回、全て一日がかりの勉強会でしたが、楽しくも身になる時間であっという間に過ぎてしまいました。そこで伊藤先生とご縁ができ、私が診させて頂いている患者様の中でも難しいと感じるケースを、伊藤先生に執刀して頂く機会を得ることが出来ました。
伊藤先生にお越し頂いて行われた診査と手術、その後の質疑応答では、歯周病におけるトップレベルの診査、診断、治療計画、器具の選択、手技、術後管理に至るまで又も多くのことを学ばせて頂きました。今は自分の中に歯周治療の確固たる芯が入ったように感じています。
私が読んでいた専門書は伊藤先生の主著されたものであったり、私の日大の仲間達は、学生の頃先生の授業を受けていたりと、私はずっと前から先生のことを存じ上げておりました。実際にお話してみると(日大の仲間は恐れ多くて気軽には話しかけられないそうです)御実家が私の父の実家と近かったり、もともとご縁があったのかなと勝手に思っています。一介の開業医にはなかなかできない貴重な勉強になりましたが、この経験を今後の治療に活かしていければと思っております。